要介護認定とは? ~介護用語のご紹介~
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
全く衰える気配もなく、むしろ加速しているかのようなコロナ禍ではありますが、介護にまつわる気になるニュースがございましたので、少しご紹介させていただきます!
本年4月に介護保険料が見直され、全国平均が月額6,014円となり、初めて6,000円台を突破したとのことです。
介護保険制度は40歳以上に加入義務があり、介護保険制度が開始された2000年当時と比較すると、月額2,911円だったものが約2倍以上になったことになります。
今後の想定される高齢化社会の中で、「肩車社会」に対する不安や懸念が生じております。
肩車社会とは、高齢者人口と現役の生産年齢人口の比が1:1に近づいた社会と言われ、高齢者1人に対し1960年では11.2人。1980年では7.4人。2014年には2.4人と、過去と比較し高齢者の割合が大きく増加しております。
今回のニュースでも、20年前と比較し2倍に増加した介護保険料となりますが、今後高齢者と生産年齢人口のバランスが肩車社会に近づけば近づくほど、益々現役世代の負担が大きくなるのではないでしょうか?
今回は、その介護保険を利用するにあたり必須項目となる要介護認定についてご紹介したいと思います!
要介護認定とは?
要介護状態とは?寝たきりや認知症等により常時介護を必要とする状態です。
また、要支援状態とは?家事や身支度等の日常生活に支援が必要であり、特に介護予防サービスが効果的な状態と言われ、日本における介護保険制度では、介護の必要度合いに応じた介護保険サービスを受けることができます。
この要介護状態や要支援状態にあるかどうかの程度判定を行うのが【要介護認定(要支援認定も含む)】であり、介護の必要量を全国一律の基準に基づき、客観的に判定する仕組みとなります。
要介護認定の流れについて
要介護認定は、まず市町村の認定調査員による心身状況調査(認定調査)及び主治医意見書に基づき、一次判定としてコンピュータ判定が行われます。
次に、保健・医療・福祉の学識経験者により構成される介護認定審査会により、一次判定結果、主治医意見書等に基づき二次判定として審査し判定されます。
この結果に基づき、市町村が申請者についての要介護認定を行います。
この認定調査を構成する3つの調査票がございます。
■概況調査
・現在受けているサービスの状況
(療養に関する意見を付け加える際に活用される場合があります)
・家族状況、居住環境、日常的に使用する機器、機械の有無等について特記すべき事項
(介護の手間など特記事項の内容を理解する際に活用される場合があります
■基本調査(74項目)
・調査項目をもとに中間評価項目得点を算出
・調査項目の選択及び中間評価項目得点より、一次判定ソフト(樹形モデル)によって要介護等基準時間を算出
■特記事項
・対象者の状況を正確に把握するための情報。主に基本調査では把握できない対象者の具体的、固有な状況などを審査会に伝達する役割。
このように大きく3つの構成により、認定調査が実施されることとなります。
概況調査項目を見ていただければ、ご理解いただけると思いますが、あくまでも要介護認定を受ける本人だけにフォーカスするのではなく、そもそも自宅で介護ができる環境か否か?自宅で介護したことを想定した場合、どのような家族の協力や居住環境が介護に適しているか?バリアフリーになっているかどうか?も調査項目のひとつとなります。
次に一次判定について、深掘りしてみます♬
認定調査に基づく一次判定について
要介護認定における一次判定では、以下の調査により要介護度を判定することになります。
①74調査項目の選択肢を選択
要介護認定を申請された被保険者の心身の状況について、本人やご家族に訪問調査を行いヒアリングが行われます。
主だった調査内容は以下のとおりです。
1)身体機能・起居動作に関する項目
(四肢の筋力の低下、寝返り等についての項目)
【質問例】右足の麻痺はありますか?
2)生活機能に関する項目
(移乗や移動、嚥下ができるかどうかの項目)
【質問例】自分で爪切りをしていますか?
3)認知機能に関する項目
(意思の伝達や短期記憶等についての項目)
【質問例】今の季節がわかりますか?
4)精神・行動障害に関する項目
(作り話や物忘れがひどい等問題行動についての項目)
【質問例】助言や介護に抵抗することがありますか?
5)社会生活への適応に関する項目
(薬の内服や買い物についての項目)
【質問例】簡単な調理はされますか?
6)特別な医療に関する項目
(点滴、人工透析等についての項目)
②中間評価項目得点の算出
中間評価項目得点は、高齢者の状態について関連する複数の項目の認定調査結果を集約し、これを基準化し、得点化したものとなります。
この中間評価項の利用によって、ある高齢者のひとつの調査項目の結果が、一般的な高齢者の調査結果の傾向と異なる不自然なもののように見えたとしても、他の調査項目の選択傾向に相殺される中間評価項目の得点として、異常値として反映されることを回避することができます。
以下の5つの群により判定されることになります。
1)身体機能・起居動作
2)生活機能
3)認知機能
4)BPSD関連
5)社会生活への適用
そして、3つ目は一次判定ソフトにより樹形図が用いられ介護に必要な時間等が推計されることになります。
一次判定ソフトの樹形図
上図は、樹形図により以下の8つの生活場面ごとの介助時間を推計することになります。
1)食事の介助時間
2)移動の介助時間
3)排泄の介助時間
4)清潔保持の介助時間
5)間接の介助時間
6)BPSDの介助時間
7)機能訓練の介助時間
8)医療関連の介助時間
前記する①②を経て、上記8つの項目を樹形図に落とし込む形となります。
食事の介助時間であれば、自立もしくは見守りが必要な場合と、一部介助もしくは全介助が必要か?により判定します。
以降は、嚥下ができるか?認知機能は?身体機能・起居動作は?視力はどうか?と深掘りしていき、コンピューターで食事の場面で要す介助時間を判定することになります。
この8つの介助時間をコンピューター判定し、要介護認定等基準時間を算定し、要介護度を判定いたします。
要介護認定の基準時間は以下のとおりです。
■非該当 要介護認定基準時間 25分未満
■要支援1 要介護認定基準時間 25分以上32分未満
■要支援2・要介護1 要介護認定基準時間 32分以上50分未満
■要介護2 要介護認定基準時間 50分以上70分未満
■要介護3 要介護認定基準時間 70分以上90分未満
■要介護4 要介護認定基準時間 90分以上110分未満
■要介護5 要介護認定基準時間 110分以上
このように、一次判定では介助時間に要す時間を基に、要介護が判定されていくことがわかると思います。
次に、要介護区分がどのような状態かをご紹介したいと思います。
要介護状態区分別の状態像
上図は、要介護状態区分別の状態像となります。
要支援1から要介護5までの、低下している日常生活能力がまとめられております。
要支援1では、起き上がりや立ち上がりに不安のある状態です。
要介護5では、要支援1から要介護4までの低下している日常生活能力に加え、麻痺・食事摂取・外出頻度・短期記憶このあたりの日常生活能力が低下している状態となります。
あくまでも各要介護状態において80%以上の割合で何らかの低下がみられる日常生活能力と言われておりますが、各要介護状態で、低下がみられる日常生活能力が一目で理解できるのではないでしょうか?
今回は、要介護認定の一次判定を中心に流れをご紹介させていただきました。
恐らく、親族で要介護認定を受けられたことのある方は、このような流れの説明を受けておられると思います。
今回ご紹介させていただきましたとおり、多くのプロセスを経て、要介護が判定されていることをお伝えできればと思います!
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介した中でも、BPSD等、初めてご紹介する単語も複数あったと思います。
またのタイミングで、ご紹介できればと思います!
気になる方は、ご自身で検索いただき、介護用語を一つでも覚えていただければと思います♬
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次回も介護にまつわるお役立ち情報をお届けしたいと思います。
では、良い週末を!!