介護サービスのご紹介② ~特別養護老人ホームとは?~

2020.08.22掲載
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お役立ち情報

先日よりコロナ禍後のニューノーマルについて医療や介護の領域については、普遍的であるとご紹介させていただきましたが、興味深いお話をもう一つ。。
現在注目されている経営戦略の一つとして、「企業は抜本的な社会課題を解決することで、経済価値を同時に増大できる。これは慈善や非営利の事業ではなく、コア事業として経営戦略に組み込むことで、初めて実現できる。」
これは、マイケル・ポーター氏が提唱する経営戦略論であるCSV(共通価値の創造)という経営モデルと言われています。
このCSVは、従来からの戦略論を根本から見つめなおす試みとなり、世界的に影響を与え始めているそうです。
ひとつの商品・ひとつのシステムを開発する「そもそもの理由」「その社会的価値」が将来の社会課題を解決する一つになると思います。
そういった意味では、そもそも医療や介護領域においては、社会が抱える課題を解決する手段のひとつとして、広く伝わっているのではないかとも思います。
その中でも、抜本的に戦略論を見つめなおす機会のひとつとして、このコロナ禍により学んだ教訓や、経験を次のフェーズに移行する機会にすべきではないでしょうか?
恐らく仕事だけではなく、学校や日常生活でもコロナウィルスにより、非常に大きい影響を受けた方が多くおられると思います。
無論、経済的な影響、身体的な影響を受け、非常に辛く悲しい時間を過ごされた方もおられると思いますが、今一度足元から見つめ直す機会に繋ぐことができればと思います!

さて、前回より複数ある介護サービスについて、ご紹介をさせていただきました。
前回は介護老人保健施設いわゆる「老健」についてご紹介しております。
もし、ご興味のある方は振り返りとしてご覧いただければと思います♬

「老健のご紹介」こちら ← クリック!!

今回は、特別養護老人ホームいわゆる「特養」についてご紹介したいと思います♬

特別養護老人ホームとは?

特別養護老人ホーム(以下「特養」にします)は、生活の質や生活機能の維持・向上を目指し、日常生活の支援をする入所施設となります。
特養では、機能訓練・多種多様なレクリエーション・療養上のサービス等を提供されております。
基本的に、要介護高齢者のための生活施設となり、入浴・排泄・食事等の介護、その他日常生活のお世話や、機能訓練、健康管理及び療養上のお世話も行います。
ちなみに、定員が29名以下のものは、地位密着型特別養護老人ホームと呼ばれております。

特別養護老人ホームの概要

【施設数】9,726施設
【サービス受給者数】57.7万人
【要介護度別の特養入社者の割合】要介護1:2.7%、要介護2:7.7%、要介護3:22.5%、要介護4:34.3%、要介護5:32.7%
【平均要介護度】3.87
【設置主体】地方公共団体、社会福祉法人 等
【平均在所・在院日数】1,405日
※平成29年4月現在

特養については、公益性が高い法人が運営許可を得ております。
よって、設置主体は地方公共団体か社会福祉法人が多数を占めております。
求職者としては、公益性の高い法人が運営しておりますので、経営的に安定した法人が主体であると理解いただければと思います。
また、平均在所・在院日数が1,400日超となり、終の棲家としての機能も有しております。

特別養護老人ホーム入所基準

介護サービスの入所施設において、厳格な入所基準があるのが特養の特徴の一つです。
際たるものが、基本的に65歳以上で要介護3~5と認定された方。となります。
ただし、要介護1または2と認定された方でも、特例入所の要件に該当する方については、その限りではありません。

【特例入所要件】
①認知症である方であって、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られること
②知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さ等が頻繁に見られること
③家族等による深刻な虐待が疑われること等により、心身の安全・安心の確保が困難であること
④単身世帯である、同居家族が高齢または病弱である等により、家族等による支援が期待できず、且つ地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分であること

申込方法は、各地域における介護支援専門員(ケアマネ)を通じ、理由書・評価票・調査票等を提出することとなります。

高齢者向け住まい・施設の定員数

こちら、高齢者向け住まい・施設の定員数となります。
平成28年現在の数値です。
定員数だけを見ると、特養が578,900名定員となっており、非常にニーズの高い介護サービスであると言えます。
特養は、1963年に制度化された高齢者施設のひとつとなり、2000年の介護保険開始と同時に介護保険サービスのひとつともなっております。

特別養護老人ホームの特徴

月額費用

特養の特徴として、入所費用が安価であることが特徴のひとつです。
いわゆる有料老人ホームのような入居一時金は必要ありません
超高級有料老人ホームでは、入居一時金でも1億円を超える施設もありますので、比較対象とはなりませんが、要介護度が高くとも、経済的負担が軽いことが特養の人気のひとつです。
【月額費用(目安)】
①入居一時金 0円
②介護サービス費 約10,000円~28,000円(1割負担)/約20,000円~58,000円(2割負担)
③食費   41,400円
④住居・管理費 約20,000円~60,000円(家賃・光熱費・水道料金等含む)
⑤その他  約5,000円~10,000円

こちら、一般的な目安となりますので、詳細は各施設や入居者の状況により異なることとなります。
また、④住居・管理費の金額の幅につきましては、従来型多床室(相部屋)は約10,000円、従来型個室は約40,000円、ユニット型個室は約50,000円程度が一般的な料金帯となります。
尚、特養のサービス費用には「おむつ代」が含まれております。
このような料金設定となっておりますので、月の負担額として約50,000円~150,000円となり、他施設と比較しても安価な設定となっております。

医療ケア

こちら老健と特養の違いにもなりますが、特養では常勤医師の配置は必ずしも必置ではございません
老健では常勤医師は必置でしたので、医療依存度の高い入所者の方を受入し、リハビリを経て、在宅へ復帰いただくプロセスのひとつとなる施設形態でした。
特養での人員配置も常勤介護職員3:1以上、常勤看護職員1人以上、機能訓練指導員1人以上という介護・看護職員等の人員配置基準が定められており、安定した介護・看護サービスが受けられますが、医療ケアについては、訪問診療や訪問看護による支援が必要なのも事実となります。

ただし、昨今の特養の運営方針の見直しや、政府が掲げる地域包括ケアへの推進の取組みのひとつとして、医療ケアに対応した施設が増加しているのも事実です。
2019年WAM(福祉医療機構)の調査では、世間の医療ケアニーズへの取組み状況について調査したところ、回答した施設のみのデータとなりますが、以下のとおり積極的に医療的ケアの受入が行われております。

【医療的ケア等に関する受入方針】※疾患別、特養での率先して受入る意向の割合
①認知症 93.6%
②精神疾患 63.7%
③障害  84.1%
④点滴  20.4%
⑤中心静脈栄養 4.7%
⑥経鼻経管栄養 22.2%
⑦胃瘻・腸瘻 62.8%
⑧カテーテル管理 61.6%
⑨喀痰吸引 40.4%
⑩酸素療法 51.5%
⑪レスピレータ管理 4.7%
⑫気管切開のケア 5.6%
⑬人工膀胱の管理 46.5%
⑭人工肛門の管理 69.1%
⑮褥瘡の処置 81.1%
⑯血糖測定 72.8%
⑰インスリン注射 55.8%
⑱透析の管理 13.0%

特養は、費用が安価であり、以前より待機者が日本全国で数万人いるというようなニュースを目にした方もおられるのではないでしょうか?
実際は、おひとりで複数の施設に申し込まれている方もおられるので、実態とは異なりますが。。
特養でも、医療的ケアの対応が不可であれば、待機者がおられても新規入所のケースに至ることはございません。
特に既往歴のある高齢者の方々にとって、必要な介護サービスの選択肢が狭くなるのでは、要介護3以上の入所要件以外の要件があるようにも見えます。
そこで、特養の施設側でも広く入所者の方々に利用してもらべく、研修等を通して職員のスキルアップを図ったり、医療的ケアに対応できるスタッフの雇用を行ったり、利用者の方々に対し安心で安全な入所環境の提供を目指し、活動されているのが事実となります。
ただし、医療依存度の高い、透析管理や気管切開のケア、レスピレータ管理等の受入については、少ない状況ですので、医療療養棟の活用や介護医療院でのケア等、各地域に必要な医療施設が適材適所の役割分担も必要であるとも言えます。

ユニットケアとは?

特養では、「ユニット型」で運営する施設が増加しております。
ユニットケアとは?在宅に近い居住環境で、利用者一人ひとりの個性や生活のリズムに沿い、他人との馴染みの人間関係を築きながら、家庭的な雰囲気の中で日常生活を営めるように介護することを目的とされております。
そのために、個室と共同生活空間といったハード面での整備と、ユニットごとの手厚い職員配置などにより介護を行うといったソフト面での取り組みを実施されております。
政府としても、各都道府県に対し、令和7年度には、地域密着型特別養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの入所定員の合計数のうちのユニット型施設の入所定員の合計数が占める割合を70%以上とすることを目標として定められております。
平成27年現在では40.5%ですので、今後新たに開設する特養ではユニット型が推進され、よりひとり一人に寄り添った介護の実践が行われるものと思います。

いかがでしたでしょうか?

今回は、特養(特別養護老人ホーム)についてご紹介させていただきました。

我々、京都・滋賀介護求人サーチでも、特養の施設での求人案件も掲載しておりますので、特養での就労をご希望される方は、下記より検索いただければと思います。

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まだまだ、暑い日が続き、コロナへの感染リスクに加え、熱中症リスクも加わっております。
本日現在(R2.8/22)コロナによる死亡者数は1,180人と報道されておりますが、平成30年度における熱中症による死亡者数は1,581人です。
暑さに対し、過信される方や慢心がある方はおられないと思いますが、コロナに加え熱中症による外出リスクが潜んでいることも忘れないでいただきたいと思います。

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