介護処遇改善加算とは? ~介護用語のご紹介~

2021.07.11掲載
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皆さんいかがお過ごしでしょうか?

今週もオオタニサーンの勢いが止まらないようですね。
今朝もTVカメラも追えないくらいの特大33号ホームランです。
東京では、4回目の緊急事態宣言が発令されるようで、ネガティブなニュースが多い中、毎朝様々な記録を塗り替える大谷選手の一挙手一投足に夢中になっております♪

来週には、日本人初のMLBホームラン競争。そしてオールスター戦
コロナ禍の暗いニュースが多い中、多くの夢と希望を見せてくれることを期待したいと思います♪

さて、今回は介護用語のご紹介をしたいと思います!

既に介護事業所で従事されている方はご存知と思いますが、【介護処遇改善加算】についてご紹介させていただきます!

 

介護処遇改善加算とは?

 

この介護処遇改善加算とは、日本では少子高齢化が増進するなか、介護人材の確保が必要な状況にも関わらず、人材確保人材の定着が進んでないのが現状です。
以前は、3K職とも言われ、きつい・汚い・給料安い。と言われていた時代があったのも事実です。
そのような状況を打破すべく、政府としては介護人材の確保定着を目的とし、介護職の方々の給与UPや、やりがいのある職場環境を整備・促進する施策として、介護処遇改善加算という制度が創設されております。

現在では、全国の約9割程度の介護事業所が処遇改善加算を取得していると言われております。
この介護処遇改善加算を取得している介護事業者は、取得していない事業所より給与が高く職場環境にも配慮された事業所であるとも言えます。

介護事業所は、職員のキャリアアップ並びに職場環境の改善計画を立案し、所在する都道府県に報告書を提出し、認可された事業所に対し、介護報酬として上乗せ費用が支払われます。
事業所は上乗せ費用を介護職員に対し給与もしくは賞与等にて支給することにより、必然的に年々介護職員の給与の底上げが行われてきました。
一旦、事業所に介護報酬として支払われますが、必ず賃金として支給することが義務付けられておりますので、事業所の利益になるものではございません。

ご自身の給与に影響する介護処遇改善加算について、どのような仕組みとなっているか?取得要件からご紹介したいと思います!

介護処遇改善加算の取得要件①

 

キャリアパス要件

Ⅰ 職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備すること

こちらは、介護職員の給与体系や役職などを明確にし、所属する介護事業所でのキャリアプランをわかりやすく明示することになります。
職員が、主任やリーダー等役職を任命された際、どのような給与となっているか?スタッフに周知する必要があります。
このような給与体系を事前に把握できると、自身のライフプランも立てやすくなると思います!

Ⅱ 資質向上のための計画を策定し、研修の実施または研修の機会を設けること

こちらは、介護職員のスキルアップを図るため、研修を実施または研修の機会を設けることが要件となります。
事業所によっては、資格取得に対する支援を制度化したり、新人研修や継続研修。研修内容は喀痰吸引・認知症ケア・サービス提供責任者研修・マネジメント研修等、事業所により計画が策定され、ご自身のスキルアップの一助になると思います!

Ⅲ 経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組み、または一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること

こちらは、何年勤めれば?何の資格を取得すれば?を明確な仕組みを作ることが求められております。
曖昧な昇給基準では無く、事前にどのような昇給の仕組みとなっているか?を理解できれば、仕事に対する意識やモチベーションが上がるのではないでしょうか?
これから介護福祉士を目指す方にとっても、自身が資格を取得した場合の給与体系も明確になりますね♪

以上のように、介護処遇改善加算の取得要件のひとつであるキャリアパス要件とは、介護に従事する方々にとっては、明確な昇給・給与体系・必要な研修機会等を得られることが義務付けられておりますので、所属する事業所でもしっかり把握するようにしましょう!

介護処遇改善加算の取得要件②

職場環境等要件

■賃金改善以外の処遇改善(職場環境の改善など)の取組みを実施すること

この職場環境の改善については、様々な施策が行われているようです。
以下、一例を挙げさせていただきます!


・新人職員の離職防止のためのメンター(新人指導担当者)制度の導入
・タブレット型の記録用端末を導入しICTを活用した日常業務の負担軽減
・腰痛防止策として介護ロボットやリフトの導入
・子育てを両立するための育児休暇取得の促進
・事業所内保育の整備
・ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善
・事故、トラブルへの対応マニュアル等の作成による責任の所在の明確化
・健康診断、こころの健康等の健康管理面の強化、職員休憩室、分煙スペース等の整備  等々

このように、腰痛防止等介護現場ならではの職場環境整備であったり、昨今の男性育児休暇取得推進等、働き手にとって心身ともに職場環境の改善が図られ、就労意欲ワークライフバランスも向上するものと思われます!

次に介護処遇改善加算にも、各介護事業所がどの程度要件を満たしているか?によって支払われる金額が異なってきます。
区分ごとに要件が定義されておりますので、ご紹介させていただきます!

介護職員処遇改善加算の区分について

 

 

上図は、介護処遇改善加算のうち全5区分をどのような要件を充足すれば、どの程度の加算を受け取れるかまとめた表となります。

■処遇改善加算Ⅰ

キャリアパス要件Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、のすべて + 職場環境等要件を満たす = 介護職員一人当たり月額37,000円相当の加算取得

■処遇改善加算Ⅱ

キャリアパス要件Ⅰ及びⅡ + 職場環境等要件を満たす = 介護職員一人当たり月額27,000円相当の加算取得

■処遇改善加算Ⅲ

キャリアパス要件ⅠまたはⅡ + 職場環境等要件を満たす = 介護職員一人当たり月額15,000円相当の加算取得

■処遇改善加算Ⅳ

キャリアパス要件ⅠまたはⅡ、または職場環境等要件のいずれかを満たす = 介護職員一人当たり月額13,500円相当の加算取得

■処遇改善加算Ⅴ

キャリアパス要件ⅠとⅡ、職場環境等要件のいずれも満たさない = 介護職員一人当たり月額12,000円相当の加算取得

■処遇改善加算Ⅳ・Ⅴは廃止へ

2021年度の介護報酬改定により、介護処遇改善加算Ⅳ・Ⅴについては、今後新規での取得は不可となり、取得している事業所のみ2022年3月まで継続可能
2022年度に完全に廃止されることになりました。
どの事業所も、加算Ⅰを目指し、加算要件の見直しを徹底し、直接給与に影響するため、リクルート活動におけるパワーワードとして、また人材定着に向け、様々な施策を講じておられます。

介護職員等の処遇改善加算に係る加算率について

介護処遇改善加算の取得要件をお伝えしましたが、その加算の計算方法も定義されております。
上図は、介護処遇改善加算が取得可能な各サービスごとに加算率という掛け目を乗じることにより、加算される単位数が決定することになります。

■計算式 : 所定単位数 × 加算算定対象サービスの加算率 =加算額

上記のような計算式となります。

これだけでは、ピンと来ないと思いますので、介護報酬の算定構造にてご説明いたします!

介護給付費単位数の算定構造

上図は、介護給付費単位数の算定構造のうち、訪問介護費の算定構造となります。

小さくて見づらいですね。。

少し大きくします。

上図は、訪問介護費の算定構造のうち、基本部分をピックアップしたものです。

介護処遇改善加算を算定するにあたり、何に対して?加算率を乗じるか?

上図の、:身体介護の介護給費 + :生活援助の介護給付費 + :通院等乗降介助 + :初回加算 + :生活機能向上連携加算 + :認知症専門ケア加算

このひと月の単位数×加算率を乗じた額が当月の介護処遇改善加算額となります。

計算例

訪問介護サービスのうち、30分以上1時間未満の身体介護を1回利用し、介護処遇改善加算Ⅰを算定した場合

基本単位:イ 身体介護 30分以上1時間未満 396単位 + ニ 初回加算 200単位 =596単位

介護処遇改善加算Ⅰ: 基本単位596単位 × 137/1000(加算率13.7%) = 81.652 →小数点以下を四捨五入 82単位

合計単位:基本単位596単位 + 介護処遇改善加算Ⅰ 82単位 = 678単位

上記は、あくまでも1回のサービスのみを抽出したものですが、実際はひと月に算定する介護給付費合計単位数に対して算定することになります。

対象者と対象外の事業

この介護処遇改善加算では、対象外の介護サービスがございます。

■訪問看護
■居宅療養管理指導
■居宅介護支援
■訪問リハビリ
■福祉用具貸与
■特定福祉用具販売
■介護予防支援

上記の介護サービスに従事するスタッフは、職種に関係なく対象外の事業となっております。

また、介護職員であっても、【病院】は医療保険が適用されており介護保険とは異なる制度となるため、病院の介護職員の方々も対象外となります。

また、あくまでも【介護】に従事する職員が対象となります。
対象となる事業所で対象となる介護サービスに従事する職員であっても、事務員や相談員等、介護職員以外の方々は対象外となります。

同じ介護サービスに従事していたとしても、事業所によっては、介護処遇改善加算のⅠ~Ⅲの届出内容によって、給与額に開きが生じる可能性もございます。

この介護処遇改善加算が制度化された際、特に現場で混乱したのが、病院と介護系の施設を運営する医療法人では、病院の介護職員には介護処遇改善加算分の賃金が支給されず、同じ法人であっても介護系施設に従事する介護職員の方が給与が高いという悩ましい課題もございました。
恐らく多くの病院が、病院と介護系施設の給与の乖離をなくすため、病院所属の介護職員の給与見直しに着手されたのではないでしょうか?

このように、介護保険が制度化された2002年以降、介護職員の定着人材確保並びにキャリアアップを念頭に、国の施策として介護処遇改善加算が制度化され、介護に携わる方々の環境整備が行われております。

これから介護領域にトライしようと思われる方や、転職をお考えの方は、職場選びのひとつとしていただければと思います!

尚、2021年介護報酬改定にて、介護処遇改善加算に加え、特定処遇改善加算という制度が開始されております!

こちらも、次回以降のお役立ち情報にてご紹介できればと思います!

いかがでしたでしょうか?

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次回も介護にまつわるお役立ち情報をお届けしたいと思います。

では、良い週末を!!

 

 

 

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