介護サービスのご紹介⑦ ~小規模多機能型居宅介護とは?~

2020.09.30掲載
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お役立ち情報

すっかり朝晩涼しくなり、秋らしい季節となりましたね。
先週9月の大型連休では、京都・滋賀介護求人サーチの事務所がある京都でも多くの観光客の方で埋め尽くされているといった感じでした。
個人的には、密を回避すべく、伊吹山へ登山に行きましたが、普段登山口に複数の駐車場があるのですが全て満車状態で、想定外の車の密を実感しました。。。
世間の皆さんも、今年は春休み・夏休みが吹き飛んだ異例の年でしたので、withコロナに順応したかのように爆発したのかもしれませんね。
今週いっぱい程度を目安に、再びコロナ罹患者数が増加しなければいいですね。

さて、今回ご紹介する介護サービスは、『小規模多機能居宅介護』となります。
様々な介護サービスがある中で、2006年に介護保険法改正で新設され、今年で14年目を迎えるサービスとなります。
以下、サービス内容についてご紹介させていただきます♬

『小規模多機能型居宅介護とは?』

 

小規模多機能型居宅介護』は、「通い」を中心として、要介護者の様態や希望に応じて、随時「訪問」「泊り」を組み合わせてサービスを提供することで、中重度者となっても在宅での生活が継続できるよう支援するため、『小規模多機能型居宅介護』が創設されております。
また、現場レベルでは『小規模多機能型居宅介護』を小多機(しょうたき)と呼ばれております。
確かに、長い名前ですからね。。(以下、「小多機」と呼ばさせていただきます)
このサービスが創設された経緯として、当時介護レベルが中重度なれば、病院への入院や施設への入所しか選択肢が無いのが実情でした。
在宅サービスを提供する事業所としても、比較的軽い要介護者を中心にサービスを提供し、中重度になれば病院への入院や施設への入所が、ある意味「必然」とされていたのかもしれません。
当時のサービス提供状況を思い出すと、多くの在宅サービス利用者にサービス提供するには、広範囲に渡って長時間の送迎時間を要し、個別に行き届いたサービスが果たして提供されていたか?
というと、懐疑的なところがあったのかもしれませんね。
家族側も、介護保険が創設された頃ですので、在宅サービスより入所サービスや病院への入院がスタンダードな選択肢であったのかもしれません。
そこで、利用者の方々にとって、住み慣れた地域や自宅で在宅生活を継続したいとする利用者のニーズに応える形で、「通い」のサービスを中心に、必要に応じて「宿泊」「訪問」サービスを利用することで、住み慣れた地域や自宅での生活の継続を支えるシステムとされております。
介護保険創設時以降、課題を洗い出し、解決策のひとつとして、小多機が生まれたとも言えるのではないでしょうか?

よって、全く新しいサービスではなく、従来からの「訪問」「通い」「宿泊」を、ミックスさせた介護サービスとなります。

小多機の特徴について

 

小多機の一番の特徴は、先にお伝えしているとおり、「訪問(訪問介護)」「通い(デイサービス)」「宿泊(ショートステイ)」この3つのサービスがミックスされたサービス形態が特徴となっております。
また、3つのそれぞれのサービスを提供するスタッフがサービスごとに固定化されないため、どのサービスを利用しても、「いつものスタッフ」がサービス提供することにより、利用者にとって顔なじみとなったスタッフからサービスを受けられることとなります。


利用者やその家族にとっては、安心感が生まれますよね。
基本的には、「通い」いわゆるデイサービスが主ではありますが、利用者からの希望や様態により「訪問」「宿泊」のサービスを受けることとなります。
よって、「通い」が中心ではありますが、要介護の利用者の生活を24時間支えることができるサービスと言え、独居老人や老老介護世帯も安心して在宅生活を続けることができるサービスとなります♬
尚、こちらの小多機を利用できる方は、当該地域の市町村にお住いの要支援1~2もしくは要介護1~5の方たちとなり、いわゆる「地域密着型サービス」のひとつとなります。

小多機が提供する「訪問」「通い」「宿泊」と訪問介護・デイサービス・ショートステイの違いについて

 

ここまで小多機のサービスについてご紹介しましたが、「訪問」=訪問介護、「通い」=デイサービス、「宿泊」=ショートステイと、それぞれ従来から提供されている介護サービスとは少し違った側面もあるので、ご紹介したいと思います!

上図でご紹介させていただきます。
小多機における、「通い」の類似サービスはデイサービスとなります。
小多機の「通い」と一般的なデイサービスとの違いは、小多機では、入浴のみ・食事のみ・むしろお茶だけ飲みに来た。もOKです。
終日利用も可ですし、半日利用も可能です。
対するデイサービスは、ケアマネが作成するケアプランに則り各事業所では介護サービスが提供されます。
よって、ケアプランとおりに利用日・サービス提供時間・サービス内容が決まっております。
また、小多機の「通い」と比較し、レクリエーションは充実していると言えます。

次に、小多機における、「訪問」の類似サービスは訪問介護となります。
小多機の「訪問」と一般的な訪問介護との違いは、小多機では、安否確認のみや、着替えのお手伝い15分という利用方法も可能です。
訪問時間・サービス内容・訪問回数もフレキシブルに利用が可能となります。
フレキシブルではありますが、もちろんケアプランに沿った介護サービスの提供となります。
対する訪問介護は、ケアマネが作成するケアプランに則り各事業所では介護サービスが提供されます。
よって、ケアプランとおりに訪問日・サービス提供時間(20分以上30分未満 や 30分以上1時間未満 等)・ケア内容が決まっております。

最後に、小多機における「宿泊」の類似サービスはショートステイとなります。
小多機の「宿泊」と一般的なショートステイとの違いは、小多機では緊急時対応をフレキシブルに対応することが可となり、予約できないというケースは少ないと言われております。
地域密着型のサービスとなりますので、利用者そのものが当該施設の登録者のみと限定されているからですね。
対するショートステイは、事前に予約が必要ですし、人気のある施設のショートステイは予約待ちせざるを得ないケースもございます。

このように、類似するようなサービスではありますが、利用者の方々は、それぞれにライフスタイルに合わせ、介護サービスを選択可能なサービスと言えます。

小多機の定員並びに介護報酬について

小多機の定員

先にご紹介したように、小多機では利用回数に制限はありません。
ただし、施設ごとに定員は設けられております。

1事業所あたりの登録上限人数 : 29名以下

「通い」サービスの1日あたりの定員数 : 15名以下

「宿泊」サービスの1日あたりの定員数 : 9名以下

「小規模」多機能型居宅介護というサービス名のごとく、定員数も比較的少ない人数を上限とされております。
よって、各利用者に対し寄り添った介護サービスの提供が求められております。

※「通い」サービスで要件を満たせば18名以下も可

小多機の介護報酬

小多機の基本単位数並びに1割負担額は、上図のとおりです。
通常の介護サービスと異なる点は、月額定額制の介護サービスとなっております。
よって、通常の介護サービスでは、1回利用した介護サービスごとに、割合に応じた自己負担額の支払が発生しますが、今回ご紹介する小多機では、包括報酬となっており、サービスの利用回数に関係なく、月額での支払となります。
ここが他の一般的な介護サービスとは異なる点となります。
尚、上図の単位数は、基本単位となりますので、地域加算の料率を乗じたうえに、施設ごとで算定する初期加算・認知症加算・訪問体制強化加算・看護職員配置加算・サービス提供体制強化加算等の加算算定分が自己負担額に上乗せされる仕組みです。
その他、食費やおむつ代は実費となり、ショートステイを利用する際には宿泊費として1,000円~3,000円程度の自己負担となります。

小多機の仕事とは?

こちらでは、小多機ではどのような仕事内容なのか?についてもご紹介したいと思います♬
既にサービス内容をご紹介しておりますが、「通い」「訪問」「宿泊」と3つの介護サービスを提供する施設となります。
よって、自宅での訪問を希望される利用者には、訪問介護のように自宅での介護サービスを提供することとなり、移動介助や身支度のお手伝いをしたり、食事の介助等、いわゆる訪問介護(ヘルパー)業務となります。
また、「通い」では、デイサービスのように送迎業務を行い、入浴・食事介助等身体介護も含まれます。
通常のデイサービス同様、レクリエーションを企画することもございます。
最後に「宿泊」では、ショートステイの利用者の方と同様に、食事介助、入浴介助、トイレ誘導や、オムツ交換、安否確認等、他の高齢者施設と変わらない介護業務となります。

やはり、小多機での業務が他の介護サービスと違うところは、3つの介護サービスを経験することに尽きると思います。
ご自身のスキルアップや、キャリアアップするうえで、複数の介護サービスを日常的に経験することにより、多くの知識を修得することが可能と言えます。
小多機での就労をご検討される方は、介護領域のファーストステップの資格となる「初任者研修」からの受講により、今後のキャリアプランを形成されてはいかがでしょうか?

小多機の今後について

小多機の事業所数はH24年時、3,849事業所に対し、H28年時には4,984事業所と、年々増加傾向となります。
1事業所あたりの利用者数もH24年時、16.2名/1施設であったものが、H28年時、17.2名/1施設と、こちらも増加傾向となります。
ただし、独立行政法人福祉医療機構の2017年度における小規模多機能型居宅介護事業の経営状況に関する分析結果が公表されております。
小多機を行っている施設の赤字割合が41.2%となり、全体の約4割に及んでおります。
無論、黒字化されている事業所は約6割あるとなりますが、赤字事業所と黒字事業所とを比較すると、「登録率」「平均要介護度」の乖離が大きなウェートを占めているようです。
やはり、中重度の要介護者の方々への利用促進が必要であり、多くの方にサービス提供を行ううえでは、過去病院への入院や施設への入所等選択されていた方々となる、中重度の要介護者への登録並びにサービス提供が必要とも言えます。

さて、いかがでしたでしょうか?

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今回ご紹介した小多機には、看護小規模多機能型居宅介護という、医療依存度の高い方向けのサービスもございます。
またの機会にご紹介できればと思います♬

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