介護サービスのご紹介⑪ ~デイケア 通所リハとは?~
随分と朝晩が冷え込んできましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
専ら、アメリカ大統領選挙の行方が気になりますが、アメリカの選挙制度自体が江戸時代の選挙システムを変化しながらも踏襲されていることも驚きでした。
今後、ますます混迷を極める勢いですね。
直接的に影響を及ぼす業種ではありませんが、医療・介護の領域に派生する事態が及ばないことを祈るばかりです。。
さて、介護サービスのご紹介が第11回目となります♬
前回、通所介護いわゆるデイサービスについてご紹介させていただきましたが、今回はデイケア(通所リハビリ)についてご紹介したいと思います!
デイサービスとデイケア。。
よく似たサービスと思われますが、内容や目的にも違いがあります。
今回は、その違いについてもご紹介いたします♬
デイケア(通所リハ)とは?
デイケアとは?
居宅要介護者について、介護老人保健施設・病院・診療所その他厚生労働省令で定める施設に通わせ、当該施設において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション。
と定義されております。
わかりやすく説明すると、利用者が可能な限り自宅で自立した生活を送れることができるよう、通所リハビリの施設(介護老人保健施設、病院、診療所などの医療機関)に通い、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔訓練向上サービスなどを日帰りで提供するサービスとなります。
次にデイケアとデイサービスの違いについてご説明いたします!
デイケアとデイサービスの違い
上図に、大きく異なるものを列挙させていただきました。
①医師配置
デイケアでは専任の常勤医師が1名以上必置ですが、デイサービスでは配置の義務はありません。
デイケアのサービスそのものに直結することが多い項目なのが、医師の配置義務となります。
②リハ職配置
デイケアではPT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)を利用者100人に1名以上の配置義務がありますが、デイサービスは機能訓練指導員1名以上の配置となります。
デイケアではPT、OT、STいわゆるセラピストも必置となっております。
③経営母体
医師の配置にもリンクしますが、デイケアでは病院、診療所(クリニック)、老健(介護老人保健施設)、介護医療院など、株式会社が運営できない医療法人などでしか運営することができません。
デイサービスでは、営利法人である株式会社も運営可能です。
よって、デイケアを提供する施設は、必ず病院や診療所に併設されており、老健や介護医療院では館内などに設置されております。
街中でデイケアを提供する施設をご覧いただければ、この違いに気づかれるかも?しれませんね。
④実施内容
デイケアでは必置となるセラピスト(PT、OT、ST)によるリハビリテーションが行われます。デイサービスでは、日常生活のお世話や機能訓練を行いサービス提供いたします。
ただし、最近のデイサービスの中には、他のデイサービス事業所と差別化を図る施設もあり、必置ではないセラピストを配置し、利用者の利便性向上に寄与する施設もございます。
⑤目的
デイケアの目的は、「心身機能の維持回復」が目的とされております。一方、デイサービスでは「社会的孤立の解消、心身の機能維持、利用者家族の身体的及び精神的負担の軽減」を目的としてサービス提供されております。
デイケアもデイサービスも、「心身機能の維持」までは同じですが、デイケアでは「回復」まで目的とされており、専門職であるセラピストの腕の見せ所ではないでしょうか?
また、孤立する高齢者の方へのコミュニティ参加する場の提供であったり、利用者家族の負担軽減いわゆるレスパイトを目的とするところは、デイケアとデイサービスも同様であると思います。
⑥計画書
ここでも医師の介在が大きな違いとなります。
デイケアでは、「医師の診療内容」を念頭に計画が作成されることとなります。
デイケアの目的は、「心身機能の維持回復」です。
そこに、医師の診療内容や検査結果を基に、専門職であるセラピストを交え多職種間によって計画書が作成されることになります。
総じて、デイケアでは、医師とセラピストが必ず在籍しております。
その中で、医学的見地により利用者の「心身機能の維持回復」を目的とし、専門職であるセラピストが利用者のニーズに合わせ、個別にリハビリを行うサービスと言えます。
デイケアのリハビリは「回復」を意味し、デイサービスの機能訓練は「維持(減退防止)」と捉えることができます。
尚、上図②リハ職配置で少し触れましたが、デイサービスでも他の事業所と差別化を図る意味でも、セラピストを配置し、機能訓練を実施する施設があることをお伝えしました。
それならば、他のデイサービスでもセラピストを配置すれば、デイケアのようなサービスが提供できるのでは?
と考えることもできます。
ただし、デイケアとデイサービスでは、得られる介護報酬が異なります。
無論、医師が介在し、セラピストが必置のデイケアの方が、介護報酬は高額となります。
サービスとして、セラピストを配置したいデイサービス事業者であったとしても、対価として得られる介護報酬が採算に合わない場合、事業としては成り立たないことにも繋がりますので、全てのデイサービス事業者が、セラピストを配置するまでには至らないのが現状と言えます。
デイケアの1日の流れ
上図がデイケアの1日の流れとなります。
基本的に、1日の流れはデイサービスと似た流れと言えます。
ここでの違いは、心身機能の維持を目的とする機能訓練サービス提供するデイサービスと比べ、心身機能の維持回復を目的とするデイケアでは、リハビリテーションを主としてサービス提供することとなります。
ただし、デイサービスもデイケアも、利用者の交流によるコミュニケーション能力の向上効果や、レクレーションの開催及び食事介助・入浴介助・排泄介助などの身体介助も行います。
デイケアの仕事の魅力
今回デイケアをご紹介するにあたり、デイケアの目的として「心身機能の維持回復」と何度となくご説明させていただきました。
「心身機能の維持回復」を求められる利用者の方々は、やはり脳神経血管疾患の後遺症や手術後のリハビリなど退院後間もない方などへのサービス提供となります。
また、嚥下障害のある方にはST(言語聴覚士)によるリハビリ提供や、胃瘻・痰吸引などの医療的ケアが必要な方であれば、デイケアでは看護師が配置されておりますので、本人も家族も安心して利用できるサービスとなります。
平均的な要介護度は1.75ともいわれておりますので、自宅からの「通い」を念頭に、利用者ニーズとして、入院<入所<通所 といった順位付けができるのかもしれませんね。
尚、介護職の方の仕事内容ですが、デイサービスと似通った業務内容となり、食事介助・入浴介助・排泄介助などの身体介助や、レクレーションの企画・開催、朝夕の送り迎えとなります。
デイケアの特徴のひとつとなる、医師やセラピストが利用者に介在することにより、介護職の方とも密な連携を図り、多職種連携が重要なサービスとも言えます。
病院の介護職とは異なり、利用者ひとり一人との関りが強く、接する時間も長いことから、深く利用者の方と寄り添う介護を提供することも魅力のひとつではないでしょうか?
利用者の方々もリハビリを目的として通われますが、やはり食事やレクレーションを通じ、心身機能が回復する過程に寄り添うことで、多くの笑顔に触れることができるのが大きな魅力と言えます。
そして、デイケアには「卒業」と言って、心身機能回復により、リハビリの目的が達成された場合、終了することも長期利用可能なデイサービスとの違いのひとつでもあります。
多職種間で連携し、機能回復された利用者の「卒業」を迎える日は、嬉しさもひとしおと思います!
ここでデイケアをオススメしたい方として、通常のデイケアは朝から夕方までのサービス提供となりますので、基本的に日勤業務のみとなります。
小さなお子さんがおられる方や、アフター5に趣味や資格取得の時間を取りたい方など、ワークライフバランスを重視される方にとって、魅力のある仕事になると思います♬
いかがでしたでしょうか?
今回は、デイケアとは?としながらも、似通ったサービスであるデイサービスとを比較しながらご紹介させていただきました!
比較してみると、色々と違いがあるのをご理解いただけたのではないでしょうか?
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では次回より、「訪問系」の介護サービスをご紹介させていただきます!