VISITとは? ~介護用語のご紹介~
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
昨日、非常事態宣言が私どもの本社地である京都を含む10都府県で、3月7日まで延長されるとの発表がございました。
昨年末から一気にコロナ感染者数が急増し、第三波と呼ばれるピークは過ぎたように思われます。
ただし、ご存知のようにドラスティックな課題解決策は無く、今月末から開始されるワクチンの効果に期待するしかないのも事実です。
それまでは、昼間も含めた不要不急の外出を減らし、人との接触をなるべく少なくするしか策は無いようですね。
なかなか明るいニュースが無いのも事実ですが、この期間に改めて学力を向上する機会として、読書や自身の知らない領域を勉強する時間に充てることも今後のご自身のためになるのではないかとも思います♬
そこで、今回は比較的新しい介護の用語として、「VISIT」についてご紹介したいと思います!
VISITとは?
VISITとは?の前に、前回お役立ち情報にて介護DBについて、ご紹介させていただきました。
まだ、ご覧になっておられない方はこちらもご覧いただければと思います! 「介護DBとは?」 ←クリック
介護DBは、要約すると、介護レセプトの電子化情報を収集し、厚労省が管理するサーバーに格納したうえで、未来の介護保険事業計画や、国民の健康の保持並びに増進施策を講じるベースとなるデータ収集となります。
この取り組みは、自立支援・重度化防止について、その効果が裏付けされた客観的根拠(エビデンス)に基づくサービス提供を国が目指しているところから発生したものとなります。
今回ご紹介するVISITについて、総称は「monitoring & eValuation for rehabIlitation ServIces for long-Team care)と言い、黄色のマーカー部分を切り取った通称となります。
非常に長いですね。。
これは、2017年度より通所・訪問リハビリテーション事業所から、リハビリテーション計画書等の情報収集することを意味しております。
そのため、2018年度の介護報酬改定時には、データ提出を評価するリハビリテーションマネジメント加算(Ⅳ)が新設されております。
※リハビリテーションマネジメント加算(Ⅳ)
■算定要件
・リハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ)の要件に適合すること
・指定通所リハビリテーション事業所における通所リハビリテーション計画書等の内容に関するデータを、通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集等事業に参加し、同事業で活用しているシステム(VISIT)を用いて厚生労働省に提出していること
■単位数
<平成30年度介護報酬改定前>
リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)
6ヶ月以内 1020単位/月
6ヶ月以降 700単位/月
<平成30年度介護報酬改定以降>
リハビリテーションマネジメント加算(Ⅳ)
6ヶ月以内 1220単位/月(新設)
6ヶ月以降 900単位/月(新設)
※3ヶ月に1回を限度
このように、VISTを用い、データ提出することで、単位数が増加されております。
2020年3月末時点では631事業所が参加しており、利用者単位のフィードバックに加え、2019年3月より事業所単位でのフィードバックも開始されております。
VISTの収集項目について
このVISITでは、現場からのデータ提出を行うことで、新たな加算算定が可能となりましたが、その収集項目は以下のとおりです。
・様式1 興味、関心チェックシート
・様式2-1 リハビリテーション計画書(アセスメント)
・様式2-2 リハビリテーション計画書
・様式3 リハビリテーション会議録
・様式4 プロセス管理票
・様式5 生活行為向上リハビリテーション実施計画
※生活行為向上リハ実施加算を算定する場合
現場レベルで、データを提出することにより、加算算定が可能となり、且つ分析結果のフィードバックが行われる仕組みとなっております。
フィードバックの利用方法としては、スタッフの振り返りの資料への活用が最も多く、利用者や家族との共有、リハビリ会議資料としての活用、ケアマネジャーとの共有、主治医との共有が挙げられております。
次に、VISITが導入された背景として、リハビリテーションマネジメントについてご紹介させていただきます!
リハビリテーションマネジメントについて
リハビリテーションマネジメントは、調査(Survey)、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)この頭文字SPDCAサイクルともいわれております。
日常的にPDCAサイクルの活用は一般企業でも教育の場でも利用されていると思います。
リハビリテーションマネジメントでは、PDCAの前段階で調査(Survey)をしっかりすることが重要となります。
例えば、介護保険の利用を開始する際、必ず必要となるのが、要介護認定で介護度を審査するプロセスが発生いたします。
この要介護認定が調査(Survey)にあたり、ケアマネジャーによって、ケアプラン作成の基となる情報収集になります。
これは、リハビリだけに限らず、ケアマネジメントでも活用されており、要介護者の方々のADLやIADLの機能維持・回復を念頭に、地域社会への「参加」へ繋がるようマネジメントする必要があります。
では、次にVISITを用いたPDCAサイクルについてご紹介させていただきます!
VISITを用いたPDCAサイクル
上図は、R2.6.25 第178回 社保審-介護給付費分科会で発表されたVISITを用いたPDCAサイクルの好循環イメージとなります。
先にもお伝えしましたが、VISITで現場のリハビリテーション計画や、会議録、プロセス管理等のデータ収集を行い、厚労省でデータベース化されております。
厚労省では、リハビリテーションマネジメントの現場の実態と効果を把握し、エビデンスを創出します。
そのエビデンスは、施策の効果や課題等を把握し、施策の見直し等PDCAサイクルを用い、ブラッシュアップされます。
また、現場には厚労省よりデータ分析結果がフィードバックされ、現場では、そのフィードバックの情報を基に、PDCAサイクルを用い、ADLやIADLの評価や多職種と情報共有・連携し、ケアの質向上・改善に利用されることをイメージされております。
このような循環が活かされれば、ケアの質向上に繋がり、必要な介護サービスが新たに創出されたり、もしくは廃止されたりと、昨今の介護領域に求められれている「自立支援」「重度化防止の推進」の新たな施策や、施策の見直しにも繋がるスキームであると思います。
ただし、VISIT利用状況は、思いのほか進んでないのも事実のようです。
R1.10月現在の情報となりますが、通所リハビリテーションの事業所では、VISITを利用し加算算定を行うリハビリテーションマネジメント加算(Ⅳ)を算定する事業所が、全体の1.7%。
訪問リハビリテーションでは、1.0%に留まっているようです。
この利用・算定状況における課題として、既に算定している事業所からは、VISITへの利用者情報入力への負担が大きいと答える事業所が55.9%。どちらかと言えば大きいと答える事業所が32.4%と、その多くが入力業務の負担をあげているようです。
これは、現状それぞれの介護事業所が使用する介護記録ソフトとの連携が整備されておらず、いわゆる二度手間となる負担によるものと考えられます。
昨今の介護記録ソフトは、様々な機能が搭載されており、普段使いは特段問題無いが、他の機能の利用方法がわからない。ということもよく聞く話です。
ITに精通するスタッフがおられる事業所では、様々な機能を使いこなし、業務効率化に活用することも可能ですが、一般的なITの知識があったとしても、使いこなすほどの時間に余裕がない。のも事実かもしれませんね。
今後、介護の業界のみならず、少子高齢化により、労働人口減少が予測されるなか、エッセンシャルワーカーである介護に携わる方々にとって、いかに効率よく、事故無く、自身が求めるケアを実践できるか?そのための国の施策ともいえるVISITをご紹介させていただきました。
尚、令和3年度の介護報酬改定の概要が公表されました。
今回ご紹介したVISITも、改定内容の中の一部に盛り込まれております。
今後VISITとリンクする「CHASE」について、次回のお役立ち情報ではフォーカスしてみたいと思います!
いかがでしたでしょうか?
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