CHASEとは? ~介護用語のご紹介~

2021.02.06掲載
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お役立ち情報

皆さまいかがお過ごしでしょうか?
コロナ禍によりオリンピックが1年延期され、更に1人の誤ったジェンダー発言で、国内外より日本という国そのものを否定されかねないニュースが流れております。
普通に考えて「?」しかありませんが、東京オリンピックという、自国開催に向け、人生を懸けて挑むアスリートの方々が納得する結末になればと思います。
1年違うだけで、成長するアスリートもいれば、その逆も然り。
数年かけて心と体のコンディションを整えて挑むことになるので、コロナ禍により練習方法・練習場所も限られているようですが、4年に1度しか見れない人類のトップパフォーマンスをTV越しでも見れれば良いなぁと思います!

さて、今回も介護用語についてご紹介させていただきます♬
今回は「CHASE」です!

CHASEとは?

 

 

今回は、比較的新しい用語のご紹介となります♬
「CHASE」とは?読み方は「チェイス」と言い、Care・Health・Status・EVents の頭文字を組みあせた用語となります。
CareとHealthは、介護サービスのことを指します。
Statusは、介護サービスの利用者の状態を指します。
Eventsは、介護サービスを受ける利用者の情報を指します。

厚生労働省は、今後増大が見込まれる介護領域への対策のひとつとして、介護保険制度の持続性を確保し、介護職員の働き方改革と利用者に対するサービスの質の向上を両立できる新たな介護の在り方について検討が重ねられてきました。
多種多様なサービスが存在する中、独自に工夫しサービス提供する事業者であったり、それぞれの視点のアウトカム評価等、科学的な検証に裏付けられた客観的なデータが十分得られていないのも事実でした。
そこで、科学的手法に基づく分析を行い、エビデンスを蓄積し活用し、且つ分析結果をフィードバックすることにより、介護事業者が提供するサービスの質の向上に繋がる取り組みが開始されました。
それが、介護に関するサービス・状態等を収集するデータベースとして「CHASE」が生まれ、2020年より本格運用されております。

このお役立ち情報では、介護の保険請求情報等の収集として、介護DBをご紹介させていただきました。
また、前回おお役立ち情報では、介護のリハビリに関する情報等の収集としてVISITをご紹介させていただきました。
国としては、少子高齢化がこの先進むことにより、高齢者を支える労働世代の経済的負担や、介護の人材不足が引き金となり、介護サービスの質の低下に繋がり、現行制度そのものが破綻しない取組みが必要とされております。
そこで、「科学的裏付けに基づく介護」CHASEの運用が開始されております。

科学的裏付けに基づく介護とは?

皆さんも、特定健診であったり成人病予防検診や歯科検診等々、医療の領域では、「予防医療」というものがございます。
しかし介護となると、そもそもフレイル(加齢により心身が老い衰えた状態)であったり、もともとの基礎疾患等、利用者個々人が抱える課題は多種多様となり、一概に要介護に至るまでの予防は難しいものとなります。
介護領域では、医療の「治療効果」や「副作用」等わかりやすいコンセンサスが必ずしも存在せず、個々人の利用者の様々な価値観があるのも否めません。
国としては、高齢者は自ら望む介護サービスを自らが選択し、その有する能力に応じた最大限自立した生活を送る環境整備として、自立支援・重度化防止が、今後の介護領域重要課題と設定し、そのために科学的裏付けに基づく介護を提供するための情報収集を開始いたしました。
この科学的裏付けに基づく介護いわゆるエビデンスに基づいた自立支援・重度化防止等を進めるために

①エビデンスに基づいた介護の実践
②科学的に妥当性のある指標等を現場から収集、蓄積し、分析すること
③分析の結果を現場にフィードバックすることで、更なる科学的介護を推進といった、現場・アカデミア等が一体となって科学的裏付けに基づく介護を推進するための循環が創出できる仕組みづくりが必要

この3点を行うために、CHASEで収集する基本的な30からなる項目がピックアップされております!

CHASEの基本項目(情報収集対象項目)

1.保険者番号
2.被保険者番号
3.事業所番号
4.性別
5.生年月日
6.既往歴
7.服薬情報
8.同居人数等の数、本人との関係性
9.在宅復帰の有無
10.褥瘡の有無、ステージ
11.Barthel Index
12.認知症の既往歴等
13.DBD13
14.Vitality Index
15.食事の形態
16.誤嚥性肺炎の既往歴等
17.身長
18.体重
19.栄養補給法
20.提供栄養量、エネルギー
21.提供栄養量。タンパク質
22.主食の摂取量
23.副食の摂取量
24.血清アルブミン値
25.本人の意欲
26.食事の留意事項の有無
27.食事時の摂食・嚥下状況
28.食欲、食事の満足感
29.食事に対する意識
30.多職種による栄養ケアの課題

これらは、できるだけ多くの事業所が入力すべき「基本的な項目」となります。
また、報酬上の加算の対象となる事業所が入力すべき「目的に応じた項目」
各事業所が任意に入力する「その他の項目」もございます。
相当数ですね。。
これら入力された情報が、介護保険請求ソフトからCSV形式でアウトプットし、CHASEの専用サイトに転用できるシステムとなっております。

データベースの活用

上図は、介護領域におけるCHASE介護DB並びにVISITの連携をイメージされた図となります。
介護DB・VISIT・CHASEで収集された情報が蓄積された以降をイメージいただければと思います。
蓄積されたデータを基に、原疾患に応じ、どのような介護サービスを選択できるか?どのようなリハビリを選択しどのような効果をもたらすか?栄養状態を把握しどのような栄養管理をすべきか?
全てエビデンスベースで、常に「最適」のサービス提供を行うことで、自立支援・重度化防止に取り組むことが想定されております。
これには、多くの情報を収集し、蓄積し、分析することが必要となってきます。
そのため、令和3年度の介護報酬改定では、新たな加算が新設されましたので、次回ご紹介したいと思います!

この蓄積された情報を分析し、各事業所へは、フィードバックされることになっておりますので、現場レベルで「最適」なサービス提供を実施することとなります。
この取り組みを循環さすことで、常にアップデートを繰り返し、改善の必要なサービスや取り組みをブラッシュアップさすことが必要となります!

このような取組が、科学的裏付けに基づく介護の一連の流れとなることをご紹介させていただきました!

いかがでしたでしょうか?

CHASEの入力に必要な項目については、基本的項目しか列挙しておりませんが、多くの項目がございます。
お役立ち情報では、枠に収まらない量であるため割愛させていただきました。ご容赦ください。。

今回は、エビデンスベースで科学的な介護を目指す取り組みであるとご紹介させていただきましたが、冒頭のオリンピック繋がりとして、一昨年13年ぶりに走高跳の日本記録が更新されたニュースがございました。
東京オリンピックでもメダル候補のひとりとして、メディアでも名前が挙がっている戸邉直人選手のお話です。
前回リオオリンピックでも日本代表候補の最右翼と謳われながら、代表決定戦前に恩師であり自身のコーチが急逝され、失意のまま大会に参加したものの、まさかの代表落選となったそうです。
そこから、亡き恩師の教えをひとりで実践せざるを得ない状況でしたが、課題やトレーニング方法は、エビデンスに基づいてこそ効果があると指導されたことを実践すべく、あらゆるデータを収集し、トレーニングやジャンプの要素に、収集したデータを取り込んだそうです。
本人の努力とその結果が、2m35cmという、日本記録に繋がっているとのニュースでした。
このように科学的な裏付けが、スポーツの分野でも発揮されている好例とも言えるのではないでしょうか?

人がもつ力や可能性は、個々により異なるものであり、すべての要介護者が、同じ介護サービスを提供しても、その能力や価値観の違いは異なるものです。
CHASEのような、国単位でビッグデータを収集し、分析し、フィードバックの循環を繰り返すことで、要介護者の方々の自立支援並びに重度化防止に繋がれば良いなとも思います♬

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では、次回のお役立ち情報は令和3年介護報酬改正にあたり、今回ご紹介させていただいたCHACEに関連する情報をご紹介したいと思います!

 

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