LIFE(科学的介護情報システム)とは? ~介護用語のご紹介~

2021.02.14掲載
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お役立ち情報

皆さまいかがお過ごしでしょうか?
非常事態宣言が発令され、なだらかに感染者数も減少しているようです。
また、日本でも今月より医療従事者の方々を皮切りに、コロナウィルスに対するワクチン接種が開始されるとのニュースも流れております。
先日、ここ1年なかなかお会いできなかった、京都で古くからの伝統産業を営む社長とお話する機会がございました。
筆者の周りには幸いなことに、コロナに感染した方はおられませんが、お会いした社長は昨年9月にコロナに感染し約10日間隔離生活を送られたようです。
昨年9月頃というと、GOTOトラベルが推し進められ、日本各地の観光地で大勢の観光客で賑わいはじめていた時と思います。
その社長も、昨年9月に1度だけ会食の機会があったそうです。
数日後、その会食の参加者より、熱発の症状あり。PCR検査陽性の連絡が入り、無症状ではあったそうですが、濃厚接触者としてPCR検査をした結果、陽性反応をしめしたとのことです。
2~3日間は、特段これといった症状は出なかったそうですが、4~5日目あたりから、39℃程度の熱発の症状が3日ほど続き、入院加療を経て、全治するまで約10日間要したそうです。
お付き合いで参加した会食だったそうですが、「まさか自分が」と仰っておられました。
仕事や家族に迷惑をかけてしまったことについて、深く反省されておりました。
幸い重症化することもなく、今は現場復帰されておりますが、人によっては「抑制」とも取れる、非常事態宣言期間かも?しれません。
ただ、自身の身体への負担だけではなく、仕事や家族にも影響することを考えれば、副作用の危険性の有無を問われている今回のワクチン接種について、否定的に捉えてばかりいてはダメなのかも?しれませんね。
ワクチンを接種することにより、他者への感染予防に繋がることも事実です。
こればかりは、「答え」がなかなか判断つかないものですが、自身が周囲に与える影響を今一度考えることも必要なのかも?しれません。

さて、介護領域で就労する方々にとって、3年に1度のイベントとなる【介護報酬改定】の詳細情報が公開されております。
特に、経営側に従事される方にとっては、自事業所の介護サービスとそれに関係する介護サービスの改定状況が気になる時期ではないでしょうか?
今回は、介護報酬改定の重点項目のひとつであり、今後の新しい介護の取組みのひとつになると思われる【LIFE】についてご紹介したいと思います!!

LIFE(科学的介護情報システム)とは?

LIFEとは?
令和3年4月より、CHASEVISITを一体的に運用するにあたって、科学的介護の理解と浸透を図る観点から、統一した名称が利用される予定となります。
このLIFEですが、Long-tern care Information system For Evidence それぞれ黄色のマーカーの頭文字をとって、LIFEと命名されております。
今回も長いですね。。
こちらのお役立ち情報では、前々回にVISITを、前回はCHASEをご紹介させていただきました!
それぞれリンクを貼らせていただきましたので、ご興味のある方は、まずVISITCHASEのお役立ち情報をご覧いただければと思います♬

このLIFEを一言で申しますと、CHASEVISITのそれぞれの情報収集とその活用をPDCAサイクルで推進する取組とご認識いただければと思います。
この取り組みが推進される重要なワードとして、「自立支援・重度化防止の取組みの推進」が挙げられます。
介護サービスの質の評価を科学的介護の側面よりアプローチし、様々なデータを集約し、各事業所へフィードバックすることにより、より良い介護サービスを科学的見地から提供する取組となります。

今回の介護報酬改定において以下の5つの重点項目がございます。

①感染症や災害への対応力強化
②地域包括ケアシステムの推進
③自立支援・重度化防止の取組みの推進
④介護人材の確保・介護現場の革新
⑤制度の安定性・持続可能性の確保

この5つの重点項目の中で、③自立支援・重度化防止の取組みの推進のひとつとして、LIFE(科学的介護情報システム)が盛り込まれております。
これからの介護領域では、「当たり前」になる可能性があることをお含みおきいただければと思います!

LIFEの全体像について

今回の改定では、全ての事業所にCHASEVISITへのデータ提出と、フィードバックの活用によるPDCAサイクルの推進・ケアの質の向上を推奨するとされております。
そこで、既存の加算等において、利用者ごとの計画に基づくケアのPDCAサイクルの取組みに加えて、CHASE等を活用した更なる取組を新たに評価されております。
また、介護療養型医療施設(病院の介護療養棟)以外の施設系・通所系・居住系・多機能系サービスについて、事業所の全ての利用者に係るデータ(ADL、栄養、口腔・嚥下、認知症等)をCHASEに提出してフィードバックを受け、事業所単位でのPDCAサイクル・ケアの質の向上の取組みを推進することを新たに評価されております。

すなわち、CHASEVISITへのデータ提出を行うことにより、加算算定が可能となり、且つデータに基づいたフィードバックが受けられる仕組みとなります。
そこで、利用者の方々にとって、最適な介護サービスの提供へ繋がるようなPDCAサイクルを行うことになります。

今回の改定では、この取り組みに対する新たな加算が新設されております。

<施設系サービス>
科学的介護推進体制加算(Ⅰ) 40単位/月
科学的介護推進体制加算(Ⅱ) 60単位/月

<通所系・多機能系・居住系サービス>
科学的介護推進体制加算   40単位/月

また、算定要件は以下のとおりとなります。

イ:入所者・利用者ごとの心身の状況等(加算Ⅱについては心身、疾病の状況等)の基本的な情報を、厚生労働省に提出していること。
ロ:サービス提供にあたって、イに規定する情報その他サービスを適切かつ有効に提供するために必要な情報を活用していること。

このように、新たにCHASEVISITの情報を提出することにより、月単位の加算算定ですので、入所者数の定員が少ない事業所では、経営的に大きなインパクトがあるものではないかも?しれませんが、これからのトレンドであったり、科学的根拠に基づくフィードバックが受けられることをメリットとして捉え、取組が加速するかもしれませんね。

LIFEの概要について

このLIFE導入にあたり、全サービスを対象とした以下の概要が公開されております。

ア 施設系サービス、通所系サービス、居住系サービス、多機能系サービスについて、CHASEの収集項目の各領域(総論<ADL>、栄養、口腔・嚥下、認知症)について、事業所の全ての利用者に係るデータを横断的にCHASEに提出してフィードバックを受け、それに基づき事業所の特性やケアの在り方等を検証し、利用者のケアプランや計画への反映、事業所単位でのPDCAサイクルの推進・ケアの質の向上の取組みを評価する加算を創設する。その際、詳細な既往歴や服薬情報、家族の情報等により制度の高いフィードバックを受けることができる項目提出・活用した場合には、更なる評価を行う区分を設定する

イ CHASEの収集項目に関連する加算等において、利用者ごとの計画書の作成とそれに基づくPDCAサイクルの取組みに加えて、データ提出フィードバックの活用による更なるPDCAサイクルの推進・ケアの質の向上を図ることを評価・推進する。

ウ 介護関連データの収集・活用及びPDCAサイクルによる科学的介護を推進していく観点から、全てのサービス(居宅介護支援を除く)について、CHASEVISITを活用した計画の作成や事業所単位でのPDCAサイクルの推進、ケアの質の向上の取組みを推奨する。居宅介護支援については、各利用者のデータ及びフィードバック情報のケアマネジメントへの活用を推奨する。

医療の領域では、まだまだ多くの病院が電子カルテへの移行が進んでおらず、全国の病院のうち約30%程度の導入に留まっており、データ収集は限定的と言わざるを得ない状況です。

一方、介護の領域では、早くから電子化が進み、2017年以降は原則、電子請求が義務付けられたことも影響し、データの収集に制約が少ない状況です。
ただし、CHASEVISITのためだけに、記録を複数回入力する業務が発生すると、働き方改革と言われる昨今の現状踏まえると、非効率や二度手間は避けたいところです。

取組としては、国単位で様々なデータを収集し、それを応用し今後の労働人口が減少する日本で、将来的に労働集約型産業である医療や介護の負担軽減になるベースのひとつになる取り組みであると思います。
多くのデータを収集し蓄積することにより、利用者にとって経済的にも身体的にも好影響を及ぼす取り組みに発展してもらいたいものです。

いかがでしたでしょうか?

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では、次回のお役立ち情報では、今回の介護報酬改定のなかで、注目する項目等ご紹介したいと思います!

 

 

 

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